こんにちは、Level Frontier代表の藤本です。
今回は「バグ」について、少し視点を広げてお話ししたいと思います。
エンジニアにとって、バグは日常茶飯事です。
開発の現場では、バグに出会わない日はありません。
私も数えきれないほどのバグと向き合ってきましたが、大事なのは、バグがあるという事実そのものではなく、「どう向き合うか」という姿勢だと思います。
バグとの向き合い方 〜 エンジニアの流儀 〜
バグに直面したとき、こんな言葉をよく思い出します。
- 不具合を見るな、原因を見ろ。
- バグを見るな、仕様を見極めろ。
- 人を責めるな、設計を見直せ。
これは、バグにどう対処すべきかを端的に示した言葉だと思います。
一つひとつのバグに対して、その原因を突き止め、再発を防ぐための仕組みをつくる。
それこそが、私たちエンジニアの仕事であり、プロとしての責任でもあります。
バグは成長のチャンス
バグに遭遇すると、「なぜこんなことが起きたんだ?」と悩むのは自然な反応です。
私も若い頃は何度も頭を抱えました。
しかし、そこから一歩進んで、
「どうしてこうなったのか?」
を深く掘り下げることで、自分自身のスキルや設計力が磨かれていきます。
原因を特定し、コードや設計を見直す。
そのプロセス自体が、エンジニアとしての成長の糧になるのです。
迅速な対応とチームの力
バグを放置すれば、後々もっと大きなトラブルに発展する可能性があります。
だからこそ、初期段階で迅速な対応が重要です。
テストの自動化、ログ分析、モニタリングなど、
使える手段はすべて駆使して、問題の早期発見・早期修正を徹底する。
そして、それをチーム全体で共有する姿勢が、組織としての強さにつながります。
バグと「人」の関係
バグの発生は、決して個人の責任だけではありません。
私自身、これまで多くのプロジェクトに携わってきましたが、「バグを出した人を責める」ような現場は、最終的にプロジェクトもうまくいかないことが多いと感じています。
バグが出たときこそ、冷静に、
- どうすれば防げたのか?
- よりよい設計は何だったのか?
といった建設的な対話をすることが、結果としてプロジェクトを前進させるのです。
社会の“バグ”について考える
少し視点を変えてみましょう。
実は、私たちが暮らす社会にも“バグ”があります。
「制度の不備」「教育や経済の格差」「価値観の衝突」
それらは、まさに“社会のバグ”といえるのではないでしょうか。
エンジニアとしてバグと向き合ってきた経験があるからこそ、私はこう思うのです。
社会に起きる問題も、バグと同じように「原因を見極め」「仕組みを見直し」「再発を防ぐ」ことで、少しずつでも前に進めるはずだと。
社会もまた「永遠のβ版」
ソフトウェアの世界では、よく「アプリは永遠のβ版」と言われます。
常に改善と修正が繰り返され、進化を続けていくからです。
社会もまた、同じだと思います。完璧な世界はありません。
それでも私たちは、バグに向き合いながら、よりよい仕組みをつくろうと努力を重ねていきます。
バグを恐れず、改善の糧にすること。
それはエンジニアに限らず、社会で生きるすべての人にとって、共通する姿勢だと思います。
私たちはバグだらけの世界に生きています。
けれど、それでもなお、前を向いて修正を続けていく限り、必ず一歩ずつ前進できると信じています。
完璧を求めすぎず、着実に――
バグは教訓であり、成長のチャンスです。
それではまた次回。
Level Frontier 藤本